パリで見つけた消費文化のトレンド(2)ー「オランジーナ」の”いたずら”なパッケージ

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渡辺 寧(ホフステードインサイツ・ジャパン株式会社)

 

■グローバル市場を「文化」の観点から読み解く

12月も終盤に差し掛かり、2017年もそろそろ終わりが見えてきました。皆様にとって、今年はどんな1年でしたでしょうか?

私たちにとっては、2017年は社名と経営陣の変更があり、組織として大きな変革の1年でした。同時に2018年に向けて、取り扱うサービス領域の拡大を感じる1年でもありました。

9月末にアムステルダムでHofstede Insights Groupの全体会合があったのですが、そのブレークアウトセッションの1つで扱われたのが「消費者文化」でした。

ホフステードの6次元モデルは、組織やマネジメントの領域、特にグローバルビジネスを展開する際に、文化差がもたらす影響について大きな示唆を与えてくれます。

一方、文化の視点が役に立つ範囲は組織やマネジメントだけに留まりません。「いかに異なる文化圏の顧客/消費者を理解し、効果的なマーケティング戦略を打ち立てるか?」を考える際にも優れた示唆を提供してくれます。

ホフステード・インサイツ・ジャパンも、グローバルにビジネス展開する日本のお客様から、グローバルマーケティング領域で文化の観点からのご支援のご依頼を頂くケースが出てまいりました。フィンランドのHofstede Insights Groupも、消費者文化はグローバルでご提供するサービスの柱の1つとして捉えており、2018年はまたこの領域で様々な情報をお届け出来ると思います。

 

■オランジーナの上下逆さまパッケージとフランス文化

こうした、消費者文化の読み解きの1つの試みとして、雑誌「宣伝会議」にFUJIFILM Franceの山本氏と連載記事を書いています。

1月号で扱ったのは、フランスの「オランジーナ」の上下逆さまの”いたずら”なパッケージについて。パッケージの文字表記と飲み口が逆さまになっています。その為、店頭ではオランジーナだけが逆さまに展示されることになります。

消費者は店頭で一瞬「?」と思い、思わず手に取ってしまうパッケージのクリエイティブデザインです。

フランスのクリエイティブ表現には「ヒネリの効いた」ものが数多くあります。別の言い方をすると「パッと見て分り易くない」表現。これはヨーロッパの中でもフランスの特徴として話題に出ることがありますが、6次元モデルを基に解釈すると、権力格差(PDI)と個人主義・集団主義(IDV)から来ているのではないかと言われます。

フランスは「権力格差(PDI)=68」で「個人主義(IDV)=71」です。つまり、権力格差も個人主義もスコアが高い。

通常、個人主義が「高い」文化は権力格差が「低くなる」傾向にあるのですが、フランスではこれが当てはまりません。

個人主義が「高い」文化では、人は個人の意見を自由に表現するのが当たり前ですが、権力格差も「高い」と、それが言えない傾向が強くなります。よって、文化的には「言いたいのに言えない」ねじれ状況になります。

フランス文化では、分り易い表現を敢えてしないことが良くあると言われます。(ちなみに、共著者の山本氏は「フランス人は心に闇を抱えているように見えるんだけど・・・」と赴任当初感じたそうです)

この背景には上記で述べたような文化的構造があるのではないかと言われます。

 

*ホフステード・インサイツ・ジャパンでは、文化を軸としたグローバルマーケティングのご支援を行っています。
・「新興国等の海外市場を理解したい」
・「グローバルマーケターとして知っておくべき文化知識を身に着けたい」
・「グローバルマーケティングチームを強化したい」

グローバルマーケティングでご課題をお持ちでしたら是非一度ご相談ください。

ご相談はこちらまで

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