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ホフステードの5次元モデル(3)男性らしさ 対 女性らしさ

2014.01.22 加藤真佐子/宮森千嘉子

異文化経営/組織文化の専門家集団、
itimインターナショナルが運営する
「グローバル人材研究所」の
サイトへようこそ!

itimの加藤真佐子と宮森千嘉子です。

異文化を理解するフレームワーク
ホフステードの5次元モデル。
前回は、「個人主義 対 集団主義」」
について説明しました。

今回は、「男性らしさ 対 女性らしさ」
ご紹介したいと思います。

そのネーミングから、
5次元モデルの中でも
最も物議を醸しやすい、
誤解されやすい次元でもあります。

これは、
「人生において
何を大切にするか」という
モチベーションを表す次元です。

人生において、
地位や業績や成功を重視するか。
それとも、
生活の質、他者への奉仕を大事にするのか。

自己主張の強い態度を好ましいとするか。
それとも、謙虚な態度が望ましいとされるのか。

それを、5次元モデルでは
「男性らしさ」「女性らしさ」
と名づけました。

男性らしさを特徴とする社会では
社会生活の中で,男女の役割分担が明確です。

給与、昇進、やりがい、承認が重要視されます。
転勤もいとわず、上のステージを目指して
会社を渡り歩く人も少なくありません。

女性らしさを特徴とする社会では、
男女の性別や役割が重なりあっていています。

お互いにうまく協力して仕事をすることや、
直属の上司との有効な関係が重要視され、
自分と家族にとって好ましい地域に住み
できればその会社にずっと勤務できればと
考えています。

男性らしさを特徴とするのは、
たとえば、アングロサクソンの国々。
「働くために生きる」方向に向かいがちです。

男性らしさの強い国々では、
女性も社会的ステイタスや報酬などへの
野心を持っています。

一方、オランダや、北欧諸国は
極めて女性らしさが強いのが特徴です。
「生きるために働く」のが
こうした国々の人々です。

社会保障制度が整っているのも、
お互いに協力して思いやるという
女性らしさの表れといえましょう。

また、男性らしさと女性らしさでは
問題の解決方法も異なります。

男性らしさのスコアが高い国々では
「対立は一番すぐれたものが勝てばいい」
とされています。

一方、女性らしさのスコアが高ければ
対立は交渉と妥協によって解決され
コンセンサスを得る

ことが好まれています。

男性らしさの強い国からきた管理職が
自分のマネジメントスタイルを
そのまま、女性らしさの強い国に
持ち込んだら?

どんなことが起こるか、想像してみてください。

次回は、第四の次元、
「不確実性の回避」について説明しますので
ぜひ、読んでくださいね!

 

 

 


加藤真佐子/宮森千嘉子

- 加藤 真佐子 プロフィール -ファシリテーター在蘭日系企業で16年間人事業務に従事し、人事、マネージメントの前提、当たり前が各国で異なること、また企業の成長、市場の変化などにより、それまで機能していた組織文化が組織の足かせになり得ることを体験。同企業でホフステード・インサイツの異文化及び組織文化マネージメントアプローチをクライアントとして体験したことをきっかけに、独立してホフステード・インサイツに参加。異文化、組織文化ファシリテータ、コーチとして多様な文化的背景を持つ人々がより良き協働関係、組織文化を構築することを支援している。幼少期および学生時代の一部を米国で過ごし、現在オランダ在住。上智大学修士課程国際関係論終了。国際コーチング連盟認定コーチ。- 宮森 千嘉子 プロフィール -ファウンダーサントリー広報部勤務後、HP、GEの日本法人でコミュニケーションとパブリック・アフェアーズを統括、組織文化の持つビジネスへのインパクトを熟知する。また50 カ国を超える国籍のメンバーとプロジェクトを推進する中で、多様性のあるチームの持つポテンシャルと難しさを痛感。「組織と文化」を生涯のテーマとし、企業、教育機関の支援に取り組んでいる。米国イリノイ州シカゴ市在住。異文化適応力診断(IRC) , CQ(Cultural Intelligence) , GCI (Global Competencies Inventory), 及びImmunity to Change (ITC) 認定ファシリテータ、MPF社認定グローバル教育教材<文化の世界地図>(TM)インストラクター、地球村認定講師、デール・カーネギートレーナーコース終了。共著に「個を活かすダイバーシティ戦略」。青山学院大学文学部フランス文学科、英国 アシュリッシビジネススクール(MBA)卒。

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