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価値観の振り子と文化の違い:「女性性」と「男性性」との間で大きく揺れるアメリカ – 歩きながら考える vol.14

2025.04.02 渡邉 寧
「歩きながら考える」vol.12

今日はホフステード6次元モデルの「男性性・女性性」の次元とアメリカの最近について。このシリーズでは、筆者が街を歩きながら、日々の気付きや研究テーマについてのアイデアを語っていきます。ふとしたタイミングで浮かんだアイデアや、知的好奇心をくすぐる話題をラジオ感覚でお届けしています。

こんにちは。今日は雨の中を歩きながら、最近頭を巡っていることをゆるく話してみたいと思います。テーマは「価値観の振り子と文化の違い」。2025年のアメリカ大統領選挙が終わって、トランプ政権がまた戻ってきたことで、世の中の動きがなんだか激しくなってると感じますね。アメリカの価値観が大きく揺れる様子を見ていると、まるで振り子みたいだなって思うんですよね。

アメリカの価値観が揺れる瞬間

2025年に、アメリカではトランプ大統領が再び政権に戻り、彼の「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン(MAGA)」というスローガンがまた話題に上がっています。この言葉って、「アメリカを再び強く、偉大に」という意味で、成功とか競争とか、勝つことが大事、ナンバーワンになるんだっていう意味合いをすごく感じますよね。ホフステードの6次元モデルでいうと、「男性性」(競争で勝利することや達成を重視する価値観)の価値観そのものを表してる気がするのは私だけではないと思います。

一方で、その前のバイデン政権を振り返ると、全然違う雰囲気でした。バイデン大統領は就任初日にエグゼクティブ・オーダーに署名して、連邦政府に「公平性」を推進する責任を課しましたね。人種や社会的なマイノリティへの支援を強化して、ダイバーシティやインクルージョンを大事にする。ホフステードの6次元モデルでいうと、これって「女性性」(協調やケアを重視する価値観)の価値観そのものだなと感じるわけです

価値観の「振り子」って何だろう

この2つの政権を見ていると、アメリカって価値観の振り子が極端に揺れてると思うんです。一方に振れると、反対側への反動が起きて、またガラッと変わる。トランプからバイデン、またトランプへって、このサイクルが繰り返されてる気がしませんか?アメリカは、この次元で振り子が大きく動く国なのかもしれません。

振り子イメージ

例えば、バイデン政権のダイバーシティ重視の政策は女性性の価値観を強く打ち出してたけど、それが一部の人には「やりすぎ」に映って、それがトランプ政権の復活を後押しするという形で男性性の価値観に一気に戻ったと考えることも出来ます。極端に振れるたびにバックラッシュが起きて、また反対に振れる。そんなダイナミックな動きがアメリカっぽさなのかもしれません。

アメリカと東アジア:思考の違いが面白い

一方で日本などの東アジアを見てみると、ちょっと違うんですよね。こっちは極端に振れるんじゃなくて、「ほどほどを大事にする」っていう感覚が強いですね。例えば、東洋と西洋の思考スタイルの違いを研究したリチャード・ニスベット教授らの面白い実験があって、株式市場の予測をアメリカと中国の学生にやらせてみたところ、アメリカの学生は「右肩上がりでどんどん上がる!」って直線的な予測をするのに対して、中国の学生は「上がった分、下がることもあるよね」って平均回帰を予想したそうです。

この違い、興味深いですよね。アメリカは「いいことがあればもっと良くなる!」っていう線形思考が強い傾向があり、一度動き出すと極端になりやすい。だけどやっぱり行き過ぎると、フラストレーションが溜まっていって、どこかで一気に噴出する。一方、東アジアだと「バランスが大事」っていう感覚が根っこにあって、振り子が大きく揺れるのを自然と避ける傾向があるのかもしれません。皆さんは自分の周りでもこういう違いを感じることありますか?

振り子イメージ

日本へのヒント:振り回されないバランス感覚

この文化的思考の違いは、国際関係やビジネスにも影響してるんじゃないかと思います。アメリカは極端な男性性の価値観に基づいてしばらくは動きそうですが、これまでの価値観の振り子を考えると、どこかのタイミングで女性性の価値観への押し戻しがあるのだと思います。

冷静に国際協調の道を探りつつ、極端な方向性に巻き込まれないようにする。そんな姿勢が求められてる気がします。皆さんは、日本がこういう場面でどう動くべきだと思いますか?

まとめ:自分の価値観を見つめ直すきっかけに

というわけで、今日は「価値観の振り子と文化の違い」について、雨の中を歩きながら考えてみました。アメリカの極端な揺れと、東アジアのバランス感覚の対比って、国際社会を考える上で面白い視点だなって思うんです。

自分の国や文化の価値観って普段あまり意識しないけど、こういう違いを知ると、「あ、私たちの考え方ってこうなのかも」って見えてくる瞬間がありますよね。もしこの話で何か感じることがあったら、ぜひSNSでシェアしてコメントで教えてください。皆さんの視点も聞いてみたいです。

雨の中の散歩も、頭がスッキリして悪くないですね。最後まで読んでくれてありがとうございます。また次回の「歩きながら考える」でお会いしましょう!


渡邉 寧

博士(人間・環境学)
代表取締役
シニアファシリテーター

慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡り国内/海外マーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。2014年に独立。2025年に京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士号取得。専門は文化心理学、組織行動。最近の研究テーマはAIの社会実装 × 職場の幸福感 × 文化の違い

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