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Hofstede Insights Japan のファシリテーター/コンサルタント 第11回 稲場 泰子

2020.03.28 稲場 泰子

Hofstede Insights Japan のファシリテーター/コンサルタント

第11回 稲場 泰子(いなば やすこ)

 

文化とマネジメントの専門家集団であるHofstede Insights Japanのファシリテーター/コンサルタントは経歴も個性も様々。自身の異文化体験について、また日々感じていることをリレー形式で書いてまいります。

こんにちは。ファシリテーターの稲場です。主に海外駐在員として赴任される日本企業の皆様に、赴任前研修をさせて頂いています。

ホフステードモデルとは、企業でリーダーシップやマネジメントのコンサルティングや研修をする中で、「文化の違う人とどのように関わると上手く行くのかを、経験則ではない形で説明」出来ないものかと模索している時に出会いました。

最初の異文化体験は「日本文化」

私はアメリカで幼少期を過ごした帰国子女で、異文化対応力は高いと思っていました。しかし、ホフステードでは、「海外経験があるからといって異文化理解・対応力が高いわけではない」と伝えています。実際、文化的背景が多様な組織で働き始めると、そのことを身をもって経験しました。

私の最初の異文化体験は「日本文化」との出会いでした。小学校三年生で帰国し、日本の公立の小学校に入学した私にとって初めての「純粋な日本の学校生活」はショッキングなものでした。特に、自由に発言することが好まれず、皆同じ格好や行動をするように求められることは、アメリカの学校で常にその逆を求められていたため、違和感しかありませんでした。しかし、数年で上手く振る舞えるようになり、成長するにつれ自分の異文化適応力には自信を持つようになりました。

自分の「価値観」とマネジメント

しかし、仕事を始めると、無意識のうちに備わっていた自分の「常識」や「価値観」の多くがアメリカ社会のそれに大きく影響を受けていたということに気づかされたのです。外資系のIT企業で働いた際、アメリカ人の上司の下、日本人、中国在住の中国人、オフショア開発のインド人から成るチームをマネージしたことがあります。チームから思うようなアウトプットが得られない時、「強く要望する」「厳しくゴールや期限を切る」という方法で皆を動かそうとしましたが、一向に上手く行きません。特にオフショアのインドのメンバーは「Yes」と電話会議で合意したことを、実行に移してくれない。そのときはそれ以上どうしていいかわからず、途方に暮れていましたが、今思うと自分の中には「日本人以外はアメリカ式に強く言えば動いてくれる」という根拠のない思い込みがありました。

良きリーダーに期待されるマネジメント

もちろん、どの国の人と働くにしても、まずはお互いの信頼関係を築くのが重要で、そもそもここが欠けていたとは思います。そして、何よりも、中国やインドには時間をかけて関係性を築き、上下関係やメンツを尊重した上でしっかり指示命令することが望まれるという文化的特徴があります。私は相手を「タスクの担い手」として割り切ってドライに仕事の依頼をしており、良きリーダーに期待されるマネジメントをしていなかったことが今になればよくわかります。

ところで、その後の失敗がないかというと然に非ず。今度はイギリスの会社と働く機会を得ました。イギリスはアメリカと似た文化だから、アメリカ人と同じような接し方でいいだろうと思いましたが、こちらもまた微妙に違う。イギリス人の方が「長期志向」で、信頼関係の構築に時間をかけるのです。私はイギリス人から見ても「アグレッシブ過ぎる」人に見られてしまいました・・・。

異文化対応は一生勉強のようです。


WRITER

稲場 泰子

ファシリテーター

外資系システム会社、外資系ネットベンチャー企業、アビーム コンサルティング株式会社CRM事業部マネージャーなどの経験を通じてマルチナショナルなチームでビジネスを推進する経験を蓄積。2005年から株式会社コーチ・エィに入社し、エグゼクティブコーチ、ビジネスコーチ、ファシリテーターとして、グローバル企業や国内大企業の組織開発プロジェクトに携わる。社内では国際コーチングサービスの構築・運営、医療やヘルスケア業界への新規事業展開等を実施。2011年より独立、組織風土・人財開発の分野でコンサルタント、エグゼクティブコーチ、ファシリテーターとして活躍。「人が自分の能力を最大限使えるようにする」ことをミッションとしている。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒、イェール大学大学院国際関係論修士課程修了。ICF Professional Certified Coach (PCC)、財)生涯学習開発財団認定マスターコーチ、ルミナラーニング プラクティショナー、 “Immunity to Change”ファシリテーター/コーチ。

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