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異文化理解研修
濱田 正晴 氏

グローバルビジネス実践での異文化対応の苦労の理由と解決策の基本が一瞬で見えた気がしました。

オリンパス株式会社
Human Resources Development Supervisor
濱田 正晴

※お客様のご所属先・役職名は、コメントを頂いた当時のものです

私は、海外赴任候補者研修(英語実践力強化研修×異文化理解研修)及び英語で実践する異文化理解研修の主査をしております。ホフステード6次元モデルとの出会いは、2017年10月、リロ パナソニックエクセルインターナショナルから紹介いただいたパナソニックの海外赴任前研修見学の時でした。

それまで海外でのビジネス経験が豊富であった私にとっても、「え!?」との言葉の形容がぴったりで、世界の国民文化を分かり易く数値化して比較できている事実に衝撃を受けました。そして、英語を多用しながらの、説得力をもったパンチ力ある研修スタイル。私のこれまでのグローバルビジネス実践での異文化対応の苦労の理由と解決策の基本が一瞬で見えた気がしました。

私のグローバルビジネスへの関わりの始まりは、28歳のときの米国(ボストン)での、米国企業との映像機器関連の共同開発でした。それから、北米、欧州、更に、中国・台湾・韓国などのアジア諸国を舞台としたビジネスに無我夢中で邁進する日々が30年近く続きました。

その中でも、特に世界国民文化の壁の厚さを強く実感したのは、1999年に米国に赴任し、Metro Regionである、ニューヨークCityを中心とした巨大テリトリーのセールス (Marketing Representative) を任された時でした。それは、私自身の米国駐在の意味や存在感、影響力、そして何より、“明確な実績”が求められる任務でした。

2001年度、映像事業部門における北米トップセールスという結果を出し、翌年2002年に、NYマンハッタンで開催されたOlympus National Sales Meetingにて表彰されました。結果として、オリンパスのデジタルカメラの北米市場シェアNo.1達成に貢献したことみならず、オリンパスアメリカ全社を力強く牽引することができた実感も鮮明でした。

しかし、この達成までの過程は、常に、米国と日本の国民文化の違いとの葛藤の連続でした。赴任前後の、米国、ヨーロッパ、カナダ、アジア諸国の異文化圏の同僚や取引先等とのビジネスで、私がいつも苦労していたのは、“世界国民文化の理解とそれを意識しての業務推進”でした。もし、私がホフステードの異文化研修を、国際舞台でのビジネス遂行をする前に知り、学ぶことができていたなら、どんなに効果的に業務ができたか計り知れなかったと考えています。

弊社では、私のニューヨーク赴任中の苦労やそれの克服などの実例を織り込んだ教材を作成して、それを用いた海外赴任候補者研修に於ける3日間の異文化理解研修初日に、ホフステード研修を採用し、2018年から毎年、年3回実施しています。また、研修の2ヵ月以内に、受講者のほぼ全員への個別ヒアリングを実施し、研修効果確認、研修課題の抽出を行っています。その結果を窓口となっているリロ パナソニックエクセルインターナショナルとザ・カルチャー・ファクター(旧ホフステード・インサイツ・ジャパン)と共有することで次回以降の研修に反映させています。

現在は、本研修対象社員を海外赴任候補者に加え、英語力が高くとも異文化に戸惑っている海外出張者や海外業務に携わる社員に拡大させて「英語で実践する異文化理解研修」と題し、年3回、実施中です。“英語で実践する”をモットーとする事で、英語が比較的堪能な受講社員の研修環境を日本語なしの異文化環境にできます。この研修についても、研修後、受講者ヒアリングを実施し、異文化を意識しつつWEBでの国際会議等で発言ができるようになったなど、研修効果絶大との声が多数寄せられています。

ホフステード研修の受講により、世界の国民文化を理解せずにグローバルビジネスを行うことの無謀さが如実にわかります。世界の国民文化の基礎を理解し、それをしっかり意識してのグローバルビジネス遂行の重要性が認識できて実践に繋げることができます。一方で、その研修効果を得るため、講師の講義スタイルなどを、私が自らの目できめ細かく確認し、弊社社員の特性にマッチした講師をアサインしていただいております。

弊社は2019年1月11日に、企業変革プラン“Transform Olympus”を公表致しました。真のグローバル・メディカル・テクノロジーカンパニーへ飛躍することを目的としたものです。私たちの存在意義、“世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現”を、私たちのコアバリュー“誠実・共感・長期的視点・俊敏・結束”を共有し、力強くドライブする重要なグローバル研修のひとつとして、ホフステード研修を引き続き活用していきたいと考えています。

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