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デンマークのヒュッゲ(HYGGE)のご紹介 vol.2 – 幸せの国デンマーク 幸福感とヒュッゲの関係

2022.04.25 祖父江 玲奈

幸せの国デンマーク 幸福感とヒュッゲの関係

デンマークの
ヒュッゲ(HYGGE)のご紹介

vol.2

幸せの国デンマーク 幸福感とヒュッゲの関係

今回は、幸福度ランキングの上位常連国 デンマークの幸福感と、ヒュッゲの関係を読み解いて行きたいと思います。

ちなみに、デンマークが幸福度ランキングで○位!と報道されたりすると、デンマーク人の間では、あぁいつもの冗談ね、という話になったりするそうです 笑。
なぜかといえば、自分たちが世界一幸せ?うーん、よくわからない、ということのようです。もちろん、自分は今不幸ではないけれど、大変なこともたくさんあるし、他の国の方が不幸に見えるということもないし、、、もっと楽しそうな国や人もあるんじゃない?という感じ。
ちなみにデンマークはブラックユーモアが大好きな文化なので、ランキング1位!みたいなことを100点満点の褒め言葉と受け取るより、皮肉たっぷりに1位を笑ってみせるという文化でもあるのですが。

でも、デンマークを何回も訪れて、様々な友人とヒュッゲな時間を過ごしてきて、このヒュッゲという価値観は、デンマークの幸福度に大きな役割を果たしているなと思うようになりました。今回はヒュッゲと幸福度の関係を見ていきたいと思います。

ヒュッゲ=毎日のエネルギー貯金

人間の活動力は、気力と体力の両輪で回っていますね。

デンマークのヒュッゲは、人と繋がる心地よさ、幸福感を毎日少しずつでも感じようとするライフスタイル。
ヒュッゲな気持ちを感じられていると、自分は大丈夫、いい時間を過ごしている、と感じられるということ。そうすると気力が充実します。

コペンハーゲンの有名レストランnoma(北欧料理の世界のベストレストランで1位を4回獲得(2019年は2位)し、新北欧料理という新しい料理ジャンルを生み出したレストラン)は、ヒュッゲを次のように説明していました。

コペンハーゲンの有名レストランnoma

– ヒュッゲとは、デンマーク語とノルウェー語の単語で、健康と充足感が感じられ、心地よくウキウキとした気分を表す

(instagram @nomacph より転載)

気力をタンクに貯められていくエネルギーと考えると、このような充足感を感じた時にエネルギーが貯められていきます。ヒュッゲを日々少しずつ感じるようにしているということは、この充足感のエネルギーを充電し続ける努力をしている、という見方ができると思います。

デンマークでもストレスは同じように高い

なぜデンマークではヒュッゲな時間を持てるのでしょうか。

デンマークは素晴らしいワークライフバランスが有名です。法定労働時間は週37時間、OECD報告では平均週33時間で、一日に働く時間は短いです。そういう意味で、時間的にバランスを取りやすい環境はあるかもしれません。
しかし誤解しないでいただきたいのですが、デンマークの仕事はかなりハイペース。お昼休憩は30分以下と短いし、残業できないので、かなり詰め込んで仕事します。いかに効率的であるかがデンマークの仕事では重視されていて、残業のプレッシャーではなく、いかに短時間で成果を上げるか、というプレッシャーに晒されています。イギリス人などもデンマークに移って効率性へのプレッシャーの高さに驚きます。
また、仕事のストレスは、日本と同じように存在します。圧力をかける上司とソリが合わない、予算が認められない、課題提起しても上司や同僚に伝わらない、人が辞めてしまう、などなど。ワークライフバランスが取りやすい環境はあるものの、ストレスやプレッシャーがあるのは同じです。

しかし、ストレスやプレッシャーがある日々の生活の中で、居心地いい時間を大切にしよう、積極的に感じようとするのがデンマークの考え方です。

ヒュッゲな時間は小さい体験でもいい。ちょっとした友人とのコーヒーの時間でもいい。ヒュッゲな時間を人生において持つことを、優先度をあげて大切にしているのがデンマークの文化です。

ヒュッゲな時間を持つというライフスタイル

以前にヒュッゲの記事でもご紹介しましたが、例えば友人と出会って立ち話。それが素敵な時間だったなと思ったら「ヒュッゲな時間だった、ありがとう」と言ったりします。

それは、ヒュッゲな気持ち、人と繋がる心地よさを味わうのは、いいこと、人生にとって大切なこと、と考えられているということ。大切にしている価値観だからこそ、嬉しい気持ちを伝える表現になるわけです。

幸福学で前野教授が提唱されている4つの因子があります。

  1. ①「自己実現と成長」の因子
  2. ②「つながりと感謝」の因子
  3. ③「前向きと楽観」の因子
  4. ④「独立とマイペース」の因子

ヒュッゲは人と繋がる心地よさです。ヒュッゲな時間だった、とお互い伝えあったりすることは、②「つながりと感謝」の因子に強く働きます。

そして、冒頭のnomaの表現である、健康と充足感を感じる、気力のエネルギーが充電される感じ。自分は大丈夫、楽しいと感じる気持ち。それは③「前向きと楽観」の因子に働くと思います。

みなさんも、家族や友人と、のんびりと楽しむ時間を作ってみませんか。
そして、お互いに言葉にしてください。

いい時間だったね。温かい気持ちになった。
ありがとう。

ヒュッゲで、日々に幸福感を。


祖父江 玲奈

ファシリテーター

中央大学総合政策学部卒業。アクセンチュアにて、組織戦略、組織設計、人材開発戦略を中心とするコンサルティング業務に従事。多くのインターナショナルプロジェクトに参画する。その後、日産自動車株式会社にて、女性のお客様をターゲットとした商品開発を担当。グローバル共通/地域固有でのお客様調査、また男女差の科学的分析に基づいて多くの提案を行い、商品を実現した。商品開発でのアイディア創出プロセスにおいて、論理的・俯瞰的視点による多面的分析力、また画像/ビジュアルイメージやプロトタイプを通じた複合的な情報収集(キュレーション)のプロセスが、新しい商品像を生み出すために非常に重要であることを発見。イノベーションを生み出すアイディア創出方法を構築中。
青山学院大学ワークショップデザイナー講座 修了。デンマークデザインスクール KaosPilot Creative Leadership course 修了。シータヒーリング認定インストラクター/プラクティショナー

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