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デンマークの
ヒュッゲ(HYGGE)のご紹介
vol.6
”幸せの国”デンマークのヒュッゲが生まれる方程式
今回は、ヒュッゲを感じるライフスタイルを見ていきたいと思います。
ヒュッゲとは、「人とのつながりから生まれる、ほっとする居心地の良さ・幸福感」を示しています。
翻訳が難しいデンマーク語であり、デンマークの生活の質を大切にする国民文化を反映している言葉なんだ、ということを前記事でみてきました。
”幸せの国”デンマークの幸せの秘訣であるヒュッゲ。ぜひこれを取り入れたい!という関心が世界中で高まっています。日本でも多くの本が出版されていますね。
ヒュッゲなライフスタイルのヒントも、たくさん紹介されています。キャンドルや照明を工夫してヒュッゲなインテリアにしたり、友達との過ごし方のヒント、ヒュッゲな時間に欠かせないお菓子のレシピ。みんな素敵なアドバイスで、私も参考にしています。
でも、、、実はヒュッゲは自然と自分の感覚に生まれてくるもの。強引に作り出すことはできないのです。本にも書かれていますが、今から10分空いた!じゃあ今からヒュッゲするぞ!とできるわけではないのが、ヒュッゲの難しいところです。
新型コロナによって、人と過ごすことに戸惑いや緊張感が生まれました。デンマークでも、人と一緒に過ごせない時間とその影響、ストレスは大きく問題になりました。そんな緊張感から、幸福感を感じる世界を作るためのヒントとして、ヒュッゲを味わうライフスタイルをご紹介できればと思います。
どんなことを意識したら、ヒュッゲが生まれるのか。私自身の経験をもとに、デンマークの特徴を踏まえて、異なる文化を持つ日本人の立場から考える、ヒュッゲが生まれやすくなる方程式をご紹介します。
FOCUS: 今を楽しむ意識
一つ目は、今、ここにいる自分を積極的に楽しもう、という意識です。この瞬間への意識、はマインドフルネスでも言われますね。意識の集中を意味するマインドフルネスに対し、ヒュッゲのニュアンスとしては「のんびりと、今の時間を楽しもう」というイメージです。
私たちはついつい、昨日の失敗や、明日の予定、はたまた1年後の自分のあり方など、過去や未来にとらわれがちです。それは言い換えれば、今の自分自身がどんな気持ちか、何が欲しいか、見ていないということ。
予定を入れない時間を作って、この瞬間にこの場所を楽しむとしたら?と見てみましょう。あ、お腹すいた!美味しいおやつを作ってのんびりお茶しよう、と思いつくかもしれません。ただソファでのんびりしたいかもしれない。大切なのは、いろいろな心配事や考え事を脇に置くこと。心配もあるかもしれないけど、今の瞬間を楽しもう、ということです。
PEOPLE: 人と一緒に過ごす時間
次に、人と一緒に過ごすことが大切です。ヒュッゲは人との繋がりから生まれるもの。
一人のヒュッゲもありますが、人と一緒に過ごすだけで、人の暖かさを感じて、心が温かくなります。
気軽に話がしやすいほうがヒュッゲになりやすいです。2人もいいし、気心の知れた3-4人くらいが、ヒュッゲしやすい人数かなと思います。
一緒に集まって、のんびりとした時間を共有する。ただそれだけです。人は社会的な生き物です。誰かに話して、受け止めてもらう。誰かの話を受け止める。相手と過ごすことが大切です。楽しいことは、共有するだけで、倍にも感じられますね。それが、ヒュッゲが人との繋がりから生まれる、ということなんです。
FOOD: 満たされ感
最後に、食べ物です!ヒュゲリな時間の真ん中には、必ず食べ物があるのよね、とデンマーク人は笑って言います。絶対これがなきゃ、というものはないのですが、みんなでおやつを食べながら、コーヒーを飲む時間。それは幸せな時間ですよね。
日本には「同じ釜の飯を食う」という表現がありますが、一緒にごはんを食べるというのは、人間の社会的な結びつきの一つだと思います。生きていく上で、食べるのは大切なこと。
人間は、お腹が空いていると充実感や幸福感を感じづらいと思います。逆に言えば、一緒に食べることで、自分も一緒にいるみんなも満たされていくことで、嬉しい気持ちを一緒に感じることができる。それは、根源的に嬉しいことですよね。なので、ヒュッゲの真ん中にはぜひ、お菓子とコーヒーを用意しましょう。
方程式で、ヒュッゲを感じるアンテナを立てよう
ヒュッゲは生まれてくるもの ー デンマーク人にとってはとても自然なことだと思います。でも、ヒュッゲという言葉がない文化では、ヒュッゲ自体が新しい感覚です。
方程式を見ることで、ヒュッゲが生まれやすい感覚にアンテナを立てることができたら、と思っています。こうしたらヒュッゲに感じられるかな、という感覚を磨くことがヒュッゲへの近道になるかと思います。
祖父江 玲奈
ファシリテーター
中央大学総合政策学部卒業。アクセンチュアにて、組織戦略、組織設計、人材開発戦略を中心とするコンサルティング業務に従事。多くのインターナショナルプロジェクトに参画する。その後、日産自動車株式会社にて、女性のお客様をターゲットとした商品開発を担当。グローバル共通/地域固有でのお客様調査、また男女差の科学的分析に基づいて多くの提案を行い、商品を実現した。商品開発でのアイディア創出プロセスにおいて、論理的・俯瞰的視点による多面的分析力、また画像/ビジュアルイメージやプロトタイプを通じた複合的な情報収集(キュレーション)のプロセスが、新しい商品像を生み出すために非常に重要であることを発見。イノベーションを生み出すアイディア創出方法を構築中。
青山学院大学ワークショップデザイナー講座 修了。デンマークデザインスクール KaosPilot Creative Leadership course 修了。シータヒーリング認定インストラクター/プラクティショナー