BLOGブログ

今日のテーマは「紙の新聞の未来」について。このシリーズでは、筆者が街を歩きながら、日々の気付きや研究テーマについてのアイデアを語っていきます。ふとしたタイミングで浮かんだアイデアや、知的好奇心をくすぐる話題をラジオ感覚で平日(月~金)の毎朝ラジオ感覚でお届けしています。散歩中のちょっとした思いつきを、ぜひ一緒に味わってみてください。
こんにちは! 今日もジムに向かう道すがら、頭に浮かんだことを話してみようと思います。テーマは「新聞の未来」。もうだいぶ長い間、紙の新聞を手に取る機会が減って、スマホのニュースアプリばかり見てますよね。今回は、つい先日感じた「紙の新聞は本当にもう厳しいなあ・・・」という経験を元に、2025年の今だからこそ感じるリアルな感覚をゆるく語ってみます。
紙の新聞、速報性で負けてる?
きっかけは、ついこの前のニュース。トランプ大統領が各国への追加関税を巡る発表をしたんです。話によると、アメリカへの輸出品に10%の基本関税がかかってて、日本向けにはさらに上乗せして合計24%になる予定だった。それが、深夜に「90日間、上乗せ分をストップ!」って急に決まったらしいんです。で、翌朝の4月10日の新聞の一面を見たら、「関税スタート、今後は交渉へ」みたいな内容で、深夜のニュースが全然反映されてないんですよね。
これ、ネットだと速報でバンバン流れてましたよね。でも、紙の新聞を読んでる人は、朝刊を見てもちょっと古い情報しか手に入らない。電車の中で新聞を広げてる人、最近ほんと見なくなったなって思いますけど、みんなスマホで最新ニュースをチェックしてますよね。この速さの差、紙の新聞にはキツいなって改めて感じる事例でした。
確かに、紙って一覧性が良かったり、電池いらずで読めたり、紙の良さがあるのは確かですよね。だけど、ニュースが秒単位で広まることを前提に、みんな(政治家も)行動しているわけだから、ニュースソースとしての紙の新聞はちょっと時代遅れ感が凄いな、と思います。
アプリの「まとめ力」がスゴい
一方で、新聞社のアプリは結構気に入って使ってます。各社によってちょっと仕様が違ってて、僕が使ってる中では日経新聞のものと朝日新聞のものが使いやすいと思ってるんですが、他社のものも最近もちょこちょこ使いやすくなってる気がします。
特に良いなと思っているのが、ただ最新ニュースを流すだけじゃなくて、過去の記事をテーマ別にまとめてくれる機能。例えば、関税のニュースなら、「トランプの貿易政策って過去どうだったっけ?」って思ったときに、関連記事を時系列でズラッと出してくれるんです。過去から今までの流れが一気に見えるから、めっちゃ分かりやすい。あと、経済学者のコメントとか、業界の人のインタビューとか、いろんな視点がパッと並んでるのも良いんですよね。紙だとページの制約でこんなに盛り込めないけど、アプリなら必要な関連記事を必要なだけ並べられる。
これ、忙しいときでも「経緯がパッと分かる」から、ニュースをちゃんと理解したい人に最高だなって思います。関税の話だって、単に「10%になった」で終わるんじゃなくて、「なんでこうなったの?」「日本にどんな影響?」まで頭に入れたいですよね。この「まとめ力」、新聞の新しい価値なんじゃないかと思いますね。過去記事の蓄積をたくさん持っているのも新聞社の強みだと思います。
AI時代、記者は何する?
それから、今後はAIのことも考えないとならない。「わかりやすい記事を書く」だけなら、正直AIで十分なんじゃないかと思いますね。実際、簡単な記事ならAIがサクッと書いちゃう時代ですし、正確さなら人間よりミスも少ないかもしれない。でも、AIにはできないことって何だろう? って考えたら、やっぱり「生の情報」を取りに行く記者の力だなって思うんです。AIには「身体」がありませんからね。
生身の身体をもった記者が、生身の身体を持った人のところに、出かけて行くということは重要で、「訪れてくれた」からこそ出てくる一次情報ってありますよね。
例えば、関税の影響を調べるのに、記者さんが地方の工場に行って、そこで働く人の声を聞いてくるみたいなこと。データや公式発表だけじゃ分からない「血の通った話」を拾ってくるのは、AIじゃ無理だと思います。
あと、いろんな情報を独自の視点でまとめるのも人間ならではだと思うんです。ネット上の情報をまとめて記事にするのはAIでもできるけど、現場を見た記者が、現場を見たからこその視点で「このニュース、こう見ると面白いよ」って切り口を出すのは、AIには出来ないことだと思います。
ネットを見てると、取材しないで書いた、いわゆる「コタツ記事」はゴロゴロ転がってますよね。今後はAIが「コタツ記事」を量産するようになるでしょう。でも、「コタツ記事」が増えれば増えるほど、現場感覚に基づいた記事の価値は上がるわけで、新聞などの既存のジャーナリズムも2025年でもまだまだ戦えるんじゃないですかと思います。デジタルとAIを使った記事に負けないジャーナリズムって、たぶんそういう「人間の来歴」に由来する部分にあるんだろうなって、ほんとにそう思います。
まとめ:新聞の未来、どこに行く?
歩きながら考えてたら、なんか新聞の未来って、紙からアプリに移って、AIと人間のいいとこ取りで進化していくんじゃないかなって思えてきました。紙の新聞は、速さじゃもう勝てないけど、デジタルプラットフォームに移行して、新しい価値を出すようになるように思いますね。AIが記事を書く時代だからこそ、人間らしいジャーナリズムが輝くチャンスかもしれない。
もし皆さんの中で、「新聞アプリでこんな機能欲しい!」とか「ネットの情報、どうやって信じてる?」みたいなアイデアがあったら、ぜひSNSでシェアして教えてください。
というわけで、今日は「新聞の未来」を歩きながら考えてみました。紙の終わりと、アプリやAIが開く新しいドアについて、ゆるく話してみたけど、どうだったでしょうか? 最後まで読んでくれて、ありがとうございます。また次回の「歩きながら考える」で会いましょう!

渡邉 寧
博士(人間・環境学)
代表取締役
シニアファシリテーター
慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡り国内/海外マーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。2014年に独立。2025年に京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士号取得。専門は文化心理学、組織行動。最近の研究テーマはAIの社会実装 × 職場の幸福感 × 文化の違い