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今回は、英語プレゼンの練習でAIの使い方をちょっと変えたら、より効果的な練習になったという話について。このシリーズでは、筆者が街を歩きながら、日々の気付きや研究テーマについてのアイデアを語っていきます。ふとしたタイミングで浮かんだアイデアや、知的好奇心をくすぐる話題をラジオ感覚で平日(月~金)毎日お届けしています。
こんにちは。今日は研究室に行くバスを待ちながら、最近発見したAIの使い方について話してみようと思います。さっきまですごい雨が降ってたんですけど、今は上がって、ちょっとした晴れ間が見えてきました。
で、今日話したいのは、英語のプレゼン練習でAIの使い方をちょっと変えたら、めちゃくちゃ効率的になったっていう話なんです。何を変えたかっていうと、音声対話をやめたんです。プレゼン練習なのに、Advanced Voice Modeを使うのをやめたっていう、ちょっと変な話なんですけどね。歩きながら、その理由を話してみます。
音声入力だけど、テキスト出力という選択
まず、今どういうやり方をしているかというと、自分のスピーチは音声で入力してます。でも、AIからのフィードバックはテキストでもらうようにしてるんです。
つまり、こちらは音声入力、向こうはテキスト出力。この非対称な使い方が、やっぱり効率的なんですよね。
もうちょっと具体的に言うと、ChatGPTとかClaudeのプロジェクト機能を使って、プレゼンの資料とか関連論文をアップロードした状態で、音声入力を使ってテキストチャットの返答をもらう。そういうやり方にしています。
最初は「せっかくAdvanced Voice Modeがあるのに、もったいないかな」って思ったんですけど、使ってみたら、こっちの方がはるかに良かったんです。
理由その1:入力と出力、それぞれの最適解
なんでこのやり方にしているかっていうと、理由は大きく2つあります。
1つ目は、入力は音声の方が早いし、出力はテキストで見た方が早いということ。それに、プレゼン練習なんで、音声で話すのは当たり前ですよね。
まず、フィードバックをテキストで見る利点について。音声って、相手のペースで流れていくじゃないですか。「えーっと、あなたの表現についてですが…」みたいに、AIが丁寧に話してくれるのを待たなきゃいけない。
でも、テキストだったら、パッと見て「あ、ここの表現か」「こっちの言い方の方が自然ですね」とか、一瞬で把握できる。しかも、箇条書きで出してもらえば、修正ポイントが4つあるのか5つあるのか、すぐ分かる。
それから、テキストのフィードバックって「残る」んですよね。音声だと、聞いた瞬間は「なるほど!」って思うんだけど、5分後には「あれ、なんて言ってたっけ?」ってなっちゃう。でも、テキストなら、後でゆっくり見返せる。自分の癖も見えてくるんです。
理由その2:プロジェクト機能で専門的なフィードバック
2つ目の理由は、プロジェクト機能を使うことで、より質の高いフィードバックがもらえるということです。
プロジェクトに関連論文をアップロードしておくと、自分のプレゼンの領域のボキャブラリーとか、その分野でよく使われる表現に基づいたフィードバックが返ってくるんですよ。
これって、一般的な英語の先生には難しいことですよね。でも、AIなら、アップロードした資料を参照しながら、専門的な観点からもフィードバックしてくれる。その分野特有の言い回しとか、よく使われる表現とか、そういうのを教えてくれるんです。
実は、これって未来の形かも
最後に、ちょっと大きな話をすると、この「入力は音声、出力はテキスト」っていうのが、今後のAIデバイスの形を示唆してるんじゃないかなって思うんです。
そう考えると、AIデバイスの本命は、やっぱりメガネ型だと思うんですよね。マイクが内蔵されているメガネをかけて、一人ごとのように話すと、それを聞き取ってフィードバックをメガネのグラスの上にAR的にテキスト表示してくれる。
もしくは、映画『Her』で出てきたようなイヤホン+スマホのような小型ディスプレイ端末かな。でもやっぱり、便利さで言うとメガネ型が一番楽なんじゃないかと思います。
どう考えても、入力と出力処理、出力理解のスピードを考えると、これが最適解かなと。
今、オーディブルとかYouTubeとかポッドキャストを聞きながら歩いてる人って多いじゃないですか。これからは、一人ごと言いながら歩いてるっていう人が増えるんじゃないかなと思います。
というわけで、今日は「英語プレゼン練習でのAI活用方法をちょっと変えたら効率が劇的に上がった話」について、歩きながら考えてみました。音声入力・テキスト出力という組み合わせ、プレゼン練習以外にも使えそうな気がしてます。
バスが来たみたいなので、今日はこの辺で。もし皆さんも「こんな使い方してるよ」みたいなアイデアがあったら、ぜひSNSでシェアしてください。最後まで読んでくださり、ありがとうございます。また次回の「歩きながら考える」でお会いしましょう!

渡邉 寧
博士(人間・環境学)
代表取締役
シニアファシリテーター
慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡り国内/海外マーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。2014年に独立。2025年に京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士号取得。専門は文化心理学、組織行動。最近の研究テーマはAIの社会実装 × 職場の幸福感 × 文化の違い