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このシリーズでは、筆者が街を歩きながら、日々の気付きや研究テーマについてのアイデアを語っていきます。ふとしたタイミングで浮かんだアイデアや、知的好奇心をくすぐる話題をラジオ感覚でお届けしています。散歩中のちょっとした思いつきを、ぜひ一緒に味わってみてください。
歩きながら考えるvol.8インプット過多 vs AIで鍛えるアウトプット
こんにちは。今日は家に帰るまでの移動時間を使って、「インプット過多 vs AIで鍛えるアウトプット」というテーマでゆるく話してみようと思います。最近、インターネットの新しいサービスで、インプットは楽になったけど、アウトプットが追いついてないんじゃないかと思っています。で、そこにAIを絡めたら面白いことになるんじゃないか、というのが今日の話です。
インプットが便利すぎてアウトプットが追いつかない
まず最初に、今のインプットの便利さについて。ほんとインターネットのサービスの進化ってすごいなって思いますよね。昔は情報を得るって言ったら、紙の新聞読むか、テレビ見るか、ラジオ聞くか、人と会って話すかくらいだった。でも今はどうですか。スマホ開けばニュースが速報ですぐ確認できるし、YouTubeやNetflixで好きな時にドラマ見られるし、Audibleで食器洗いしながら本が読める(聞ける)し。インプットの方法が多様化して、量を増やすのが容易になりました。

でも、ここで、ちょっと思うんですが。アウトプットってどうですか?昔と比べてどれくらい変わりました?僕の感覚なんですけど、多分そんなに増えてないし、もしかしたら減ってるかもしれない。というのも、アウトプットする機会ってそれほど増えてないんじゃないかと思うのです。特に、対面で人と話す機会が増えてない。むしろ減っている。場合によっては、引きこもってネットばっかり見ていても、そこそこ楽しい生活になってしまう。そうすると、アウトプットがインプットに圧縮されてしまうのではないか?と思うのです。まあ、僕の感覚値でしかありませんが、なんかそんな気がしてて。これ、皆さんも感じることないですか?
アウトプットしないと長期記憶に入らない
で、ここからが大事な話なんですけど、人って、自分でアウトプットしたことしかちゃんとインプットしない生き物だと思うんですよ。つまり、自分で話したり書いたりした内容は記憶に残るけど、アウトプットしないものはどんどん忘れていく。短期記憶には入っても、長期記憶には残らない。
ネットが普及してから特にそうなんですけど、長期記憶をアウトソーシングする癖がついちゃってるじゃないですか。「ググればいいや」って。覚えなくてもすぐ調べられるから、長期記憶に入れる努力をしなくなった。これに加えて、アウトプットする機会が減って、長期記憶も増えないっていう現象が起きてる気がするんです。

インプット過多の時代だからこそ、アウトプットの重要性って見直すべきなんじゃないかなって思います。
AIとの対話でアウトプットを鍛える
で、ここでAIの話が出てくるんです。インプットの仕方がテクノロジーで変わったなら、アウトプットだって変えられるはず。その鍵がAIなんじゃないかと。
具体的に言うと、AIに何かを説明したり、対話する機会を作ることで、アウトプットの量と質を上げられると思うんですよ。今のAIって、対話の相手としてめっちゃ優秀ですよね。例えば、家族とか友達に自分の話を聞いてもらおうと思って話しても「ふーん」で終わっちゃったり、逆に自分の話を始められたりすることもありますよね。全然、こっちの話聞いてくれないなー、と。でもAIはちゃんと聞いてくれるし、気持ちよく話させてくれる。
例えば、新聞のニュースをAIと画面共有しながら、「今これ読んでるんだけど、どう思う?」って話して、自分の考えをアウトプットする。そしたらAIが補足情報や違う視点をくれたりするから、またそれに反応して喋る。この繰り返しで、アウトプットしている人の認知機能が変わってくるのではないかと思うんです。AIとの対話って、対話というよりは、単なる独り言なのかもしれないけど、アウトプットはアウトプット。こんな風にAIを活用すれば、インプット過多な生活から抜け出して、アウトプットの機会を増やせるのではないかと思います。結果として、自分で考える力とか記憶する力が高まるんじゃないでしょうか。

まとめ
というわけで、今日はインプットとアウトプットのバランスの話でした。インプットが便利すぎる時代だからこそ、アウトプットを意識的に増やすべきなんじゃないかと思います。そのツールとしてAIが使えるっていうのが、僕の最近の気づきです。皆さんも、ちょっとやってAIとニュースの話などしてみてください。意外と楽しくて、自分の考えが整理されるし、記憶にも残る。役に立ったなと思ったら、この話、SNSでシェアして感想をつけてくれると嬉しいです!
そろそろ家に着くので、今日はこの辺で。また次回の「歩きながら考える」でお会いしましょう。ありがとうございました!

渡邉 寧 博士(人間・環境学)
代表取締役
シニアファシリテーター
慶応義塾大学文学部/政策・メディア研究科卒業後、ソニー株式会社に入社。7年に渡り国内/海外マーケティングに従事。約3年の英国赴任を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。メーカー、公共サービス、金融など、幅広い業界のプロジェクトに4年間従事。2014年に独立。2025年に京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士号取得。専門は文化心理学、組織行動。最近の研究テーマはAIの社会実装 × 職場の幸福感 × 文化の違い