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真帆のケンブリッジ大学留学日記 Vol.2【フランスへのスキー旅行】

2019.02.03 竹谷 真帆

ケンブリッジ大学生の冬のビックイベント “Varsity Trip”

ケンブリッジ大学は3学期制で、1学期が8週間と恐ろしく短いことが特徴です。ただし休みだからといってのんびりできるわけではなく、課題や予習復習等を行うことが求められます。

そんな貴重な冬休みに行われるケンブリッジ生ならではのビッグイベントがフランスへのスキー旅行(Varsity Trip)です。Varsity Tripはケンブリッジとオックスフォード(オックスブリッジ)の生徒を対象に企画されており、約3000人の生徒が参加します。チケットを取るために販売時の朝8時からパソコンの前で待機しなければいけないほど生徒間ではとても人気が高いものとなっています。

Varsityとはオックスブリッジ対抗戦の呼び名で、ラグビーやボートなど様々なスポーツでVarsity戦が行われます。この旅行はスキー部のVarsity戦を開催するために始まったもので、第一回目のスキーVarsity戦は初めての冬季オリンピックよりも古く、1922年に行われたそうです。また、スキーだけではなく夜のパーティーやスキーレースの観戦など毎日イベントで盛りだくさんの一週間となっています。

今年のVarsity TripはフランスのVal Thorensというアルプス山脈のスキーリゾートで行われました。今回はケンブリッジからバスで18時間、フェリーに乗ってドーバー海峡を渡り行き着いた先で感じたイギリスとは少し違うフランスの異文化に少し触れたいと思います。

「リラックスしてリズムを感じるんだ」

常にスキー教室の先生はこのようなアドバイスを口にしていました。私の先生はゲレンデの近くにあるオープンバーから聞こえる音楽に合わせて踊りながら滑るような陽気な方でした。スキー教室ならではの列で滑ることを嫌う先生で、私たちは自分のペースで好きなように滑ればいいと言われました。

どこで止まればいいか、次に乗るリフトもはっきり言わずに適当に滑っていくので、気がついたら何人かがグループからはぐれてしまう事態もしばしば。日本ではあり得ないことなのにお気楽な先生は、乗るリフトを間違えてもどこかで怪我して動けなくなってしまってなければ大丈夫、と。

また、途中で自分はお手洗いに行くため生徒は先に下に降りてて待っててと言われることもありました。一緒にレッスンを受けていたイギリス人の生徒もこの先生は相当Chill(気楽、呑気)だね、と苦笑い。

私が日本で一度だけ参加したスキー教室では、レベル別にスキー検定に向けて練習をするスタイルでした。〇〇の級の検定を受けるためにはこの技が必要、と目標がはっきりしており、最後には1人ずつ検定の試験を受けました。

フランスのスキー教室はかなり対照的ではっきりした目標もなく、少し滑った後にアドバイスを受けるというスタイルだったので、何を学んでいるのがわからず、正直私は違和感を感じていました。ただ先生が言うように感覚的にリズムを感じながら滑ることも楽しいと段々と感じるようになりました。

フランススキー場の長い昼休み

スキーは楽しいけれども常に危険を伴うスポートです。ある日、私の友達が肩を骨折する大きな怪我を負ってしまいました。急いで病院に向かい、治療が終わるのを待っていたのですが、なかなか友達が出てこない。どうしたことかと思い携帯を確認すると、治療は終わっているものの肩を固定するためのサポーターが必要だから薬局で買ってきてほしいというメッセージが入っていました。その後薬局に向かうと、まさかのこの表示が…

12時から15時までといういかにもフランスらしい長い昼休みの時間と運悪く重なってしまったのです。どうしようもないので私たちは15時まで待つこととなりました。

スキー場にも日・仏の文化差

これらの例から感じられるのは国文化の男性性の違いです。男性性が強い日本では兎に角上達することが良いとされています。例えばスキー教室で行う検定は上達の達成度を分かりやすくするシステムです。そして、丁寧に言われた通りの滑りをすることが求められます。

逆にフランスは女性性が高いので、上達することだけでなく豊かな人生を楽しもうとする価値観を持っています。スキー教室の先生は仕事だと思って私たちを指導しているというより、自分のペースで一緒に滑っているという感じでした。そして私たちも規定の滑りにとらわれるのではなく、自分たちのペースで滑ることが促されていました。

昼休みの例といい、日本人からすると仕事に対する緊張感がないのではないかと不安になる所もあります。でも同時に、仕事や競争で勝つことより人生の豊かさを望むという相手の考えを理解しようとすると物の見方も少しずつ変わるかもしれないとも感じました。


WRITER

竹谷 真帆

インターン

1998年東京生まれ。幼稚園年長から小学2年まで3年間アメリカに3年間住んだ後、小中高を日本で過ごす。高校2年から経団連の奨学金制度でドイツのRobert Bosch College UWCに2年間留学。2017年10月よりイギリスのケンブリッジ大学に進学。社会学と文化人類学を専攻している。

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