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デンマークの文化に見る幸福感 vol.15 – 幸せの国 デンマークのミニ成人式(2)
デンマークの文化に見る幸福感
vol.15幸せの国 デンマークのミニ成人式(2)
世界幸福度ランキング上位3位内の常連であり、ここ10年で1位に4回もなっているデンマーク。ホフステードの6次元モデルで見ると、女性性が高く、個人主義という特徴があります。
幸福感を感じるデンマークの文化を紐解いていきたいと思います。
デンマークの大切な友人家族の双子たちが、大切な行事、コンフィアマション(Konfirmation)を迎えました。
光栄なことに招待いただき、参列してきました!
当日の様子を含めて、デンマークの文化の一つとしてご紹介したいと思います。
コンフィアマションとは何か、については前記事をご参照ください。
コンフィアマションの日
パーティは5月5日。デンマークでは大いなる祈りの日(Store Bededag)という17世紀に定められた、キリスト教の祝日です。
コンフィアマションのイメージは、白いドレスでの大きなパーティ。
パーティーは自分の選択を表すところでもあるので、好みが反映されます。
友人家族は、自分たちのスタイルを反映して、有機野菜農場でのガーデンパーティを開きました。
気持ちよく晴れ渡った日、ガーデンに次々集まるゲストたち。
パーティーは午後1時開始ですが、会場は街から少し遠いこともあって、みなさん早めに集まってきます。ちなみにデンマークでは時間ぴったりに集まることが良いとされています。(日本のように15分前集合でもなく、イタリアのように遅れてくる方が良いということもありません)
お父さんのブリアンはスペシャルなビールを自家醸造。特別なビールを3種類作って雰囲気を盛り上げました。ウェルカムドリンクはシャンパンビール!前日にお手製のラベルを私も一緒に貼りました。
子供たちには様々なフルーツジュースやスパークリングのアイスティーなどを用意してあります。
まずは親から挨拶。
参列いただいたことへの感謝、パーティの流れやドリンクの案内、食事の後ゲームの予定があることなど、どんなふうに楽しんでもらいたいか、案内がありました。
パーティが始まると
会場に入ると、それぞれに席札が。それぞれの人をイメージさせる単語が書いてあり、自分の席を探します。これはあの人かな?とみんなで連想ゲームしてるみたい。私のものにはSushiと書いてありました笑(訪問のたびにちらし寿司を作っています)。ご一緒した大学生のメッテは「私は 超オタク(Mega Nørdt)だって!クール!」と盛り上がってました。
一般的には主役の両脇に両親が座ることが多いようですが、今回は主役が2人いることもあって、それぞれがお友達とテーブルにつきました。
最初にお母さんのティネからスピーチ。双子を妊娠した時から、親としてどんな時間を過ごしてきたか、2人の成長を喜びます。そしてメアレとディトレウそれぞれへ、メッセージ。
そして、乾杯!
一般的には結婚式場のような会場で着席型で行われることが多いそうですが、今回はガーデンパーティ。外のバーベキューでシェフが調理した料理をビュッフェ形式で提供されました。
テーブルごとにビュッフェ料理を取りに行き、みんなで楽しく食事の時間です。焚き火で出来立てのお料理だから、ものすごく美味しい!
言葉のプレゼント
食事が進むと、スピーチの時間です。いろいろな方が立ち上がり、2人との思い出やこれからの人生への言葉を贈ります。スピーチをいただいたら、誰かが掛け声をかけてスコール!(Skål!)と乾杯して拍手する、という形で進みました。
日本にも結婚披露宴などで代表でスピーチなどがありますが、このコンフィアマションでは大きく違うところがありました。
スピーチは、大人になった当人一人へのメッセージです。
14歳の子供への思いを、しっかりと言葉にして伝える。
他者との関わり方や、自分の役割、将来について考えることの多い時期。当人の性格やあり方などを見てきたさまざまな人から、こういう良いところがあるよね、こんな可能性もあるよね、と伝えられます。
いろいろ多感な時期に、一個人に対してメッセージを伝えるという機会がしっかりあるのは、自分のあり方やこれからを考える上で、とても強いメッセージがあるなと思いました。
そして驚いたのは、このスピーチの進み方。話したいと思った人が(準備してきている場合も当日思った場合も)頃合いを見て立ち上がり、お話をするそう。グラスなどを軽く叩いて注目を促したらスピーチが始まります。何件スピーチがあるかはわからないとのこと。当日もおばあちゃんが立ち上がったら他の人も立ち上がって、どちらが先か、譲り合うみたいなときがありました。
時間の許す限り、何件でもスピーチはあっていいそうです。ただあまりにもスピーチの時間が長いと、ゲスト同士でのお話もできなくなるし、数が多すぎるのはゲストとしても、、、ということもあるようなので、時間で区切ることが多いようです。
日本の結婚披露宴と近いなーと思って見ていたのですが、日本では祝辞とか友人のスピーチは、事前にお願いしますよね。飛び入りもありえるものの、役職や関係性に応じて誰を立てるかなども関係します。
デンマークは、やはり個人主義。自分が話したいと思ったら、誰でもが立ち上がって話す権利があるし、どんな人でも個人の意見を尊重する文化なのだなと思います。
パーティのお楽しみ:みんなでゲーム
食事がひと段落したら、ガーデンパーティならではのお楽しみ。Rundbold(英語ではStickball)が始まりました。野球、キックベースに似ていますが、ランナーが複数同じ塁にいてもよいというところと、ピッチャーがいないところが違うかな?主役2人もスニーカーに履き替えて、大人も子供も、大はしゃぎです!
その横ではデザートタイムが始まりました。焚き火を使って各自がパンケーキを焼きます。M&M’sやマカロンクッキーの砕いたものなどトッピングが用意されていて、自分の好みで混ぜて、鉄板へ。
近くの有機農場のアイスクリーム3種類とキャラメルソースも好きなだけ。自分で焼けるので、子供も大人も大はしゃぎ。
みんなの小腹も満たされたら、もう一つのゲームが始まりました。連想ゲームとジェスチャーゲームの合いの子のようなゲームです。俳優をされている友人の方から説明があり、5−6人組に分かれて連想をつなぎながらみんなで遊びます。走り回る必要がないし大人も子供も楽しめるので、より多くの人が参加して、みんな盛り上がっていました!
このゲームの時間は、私の友人たちならではの趣向でした。招待状のビデオの中で「ゲームをするから、そのつもりで来てね」と言っていました。(参加してくれるかなぁと心配もしていました)
コンフィアマションは、昔は親戚の食事会という意味合いが強かったのですが、現代では堅信礼を受ける子供を中心としたパーティへと変化してきたそう。一般的には結婚式の会場のようなところを使うので、マジックショーなどを呼んだりするようで、みんなでゲームということはあまりないそう。楽しい時間にしたい、というメアレとディトレウならではのプログラム、盛り上がっていました。
お開きの軽食
夕方になって、外は寒くなってきました。
中では、山ほどのプレゼント!をみーんな開けて。
写真を撮ったり、語り合ったり。
そして、18時30分過ぎ。そろそろお開きです。
パーティーをお開きにする前に軽食が提供されました。
遠くから車で来ている人もいるため、家に帰る時にお腹が空いちゃって、、、ということがないように、との配慮とのこと。温かい心遣いですね。
同時に、デンマークはやっぱり食べることが大好きだな!とも思いました 笑
コンフィアマションおめでとう、メアレとディトレウ。
素敵な1日をありがとう。
祖父江 玲奈
ファシリテーター
中央大学総合政策学部卒業。アクセンチュアにて、組織戦略、組織設計、人材開発戦略を中心とするコンサルティング業務に従事。多くのインターナショナルプロジェクトに参画する。その後、日産自動車株式会社にて、女性のお客様をターゲットとした商品開発を担当。グローバル共通/地域固有でのお客様調査、また男女差の科学的分析に基づいて多くの提案を行い、商品を実現した。商品開発でのアイディア創出プロセスにおいて、論理的・俯瞰的視点による多面的分析力、また画像/ビジュアルイメージやプロトタイプを通じた複合的な情報収集(キュレーション)のプロセスが、新しい商品像を生み出すために非常に重要であることを発見。イノベーションを生み出すアイディア創出方法を構築中。
青山学院大学ワークショップデザイナー講座 修了。デンマークデザインスクール KaosPilot Creative Leadership course 修了。シータヒーリング認定インストラクター/プラクティショナー