The Culture Factor

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Never say never, never say always

2016.04.09 宮森 千嘉子
Never say never, never say always

Never say never, never say always

こんにちは、itimの宮森です。

「文化とマネジメント」をテーマにしてから、自分に課していることがあります。

それは、決してJudgemental にならないこと。「決めつけない」という訳が最も適しているでしょうか。

日本で生まれ育ち、30代後半で初めて外国暮らしを体験したわたしには、本質を理解するまでに時間のかかった単語のひとつです。

あれは、大学院でのグループワークの時間でした。英国人の仲間は余計なことや意味のないことに時間を使って、議論のための議論に終始しているように、わたしには見えました。締め切り時間も迫っていたので、「もう時間がないからサマリーしようよ。今Aの言ってたことはこうで、BとCはこういう意見だから、双方のいいところを取ると・・・」や声をかけたのです。その途端、他の仲間(全員英国人)から、You re so judgementa!!の声があがりました。アングロサクソンの文化では、自分の意見をはっきりと持つことが大前提で、異なる意見を戦わせる中から、さらにベターな結果が出ると信じています。一方わたしは、締め切りに間に合わせるためにサマリーに入った。それは彼らから見ると、わたしが彼らの意見を「決めつけ」、意見を戦わせる機会を奪ったことに他なりませんでした。自分が何か悪いことをしたとはとても思えなかったわたしは、強烈な主張を戦わせるグループワークに疲れ果て、最後にはそこから脱落してしまいました。

この強烈な体験から”not be judgemental” と、自分の意見を持ち強く主張することの違い, constructive criticismとは何かを徐々に学んでいったように思います。その後、東南アジアや東欧でプロジェクトをマネジメントした時には、会議で強く主張したら今度は返って総スカンをくらい、作戦を変えて「聞く力、サマリーする力」を前面に出してみたら、チームメンバーから高い評価をもらったこともあります。こうしてわたしは、議論の仕方、仕事の進め方には様々な好みがあり、それは個人の傾向だけではなく、国の文化的価値観の違いが大きく影響することを、傷つき涙を流しながら学んでいったように思います。

文化に正解はないので、傾向を推し量ることはできても、最終的に何が起きているかは、コンテクストを充分に配慮する。決めつけず、何が起こってもNever say never, never say alwaysと、今日も自分に言い聞かせています。

 


宮森 千嘉子

ファウンダー

サントリー広報部勤務後、HP、GEの日本法人で社内外に対するコミュニケーションとパブリック・アフェアーズを統括し、組織文化の持つビジネスへのインパクトを熟知する。また50 カ国を超える国籍のメンバーとプロジェクトを推進する中で、多様性のあるチームの持つポテンシャルと難しさを痛感。「組織と文化」を生涯のテーマとし、企業、教育機関の支援に取り組んでいる。英国、スペインを経て、現在米国イリノイ州シカゴ市在住。異文化適応力診断(IRC) , CQ(Cultural Intelligence) , GCI (Global Competencies Inventory), 及びImmunity to Change (ITC) 認定ファシリテータ、MPF社認定グローバル教育教材<文化の世界地図>(TM)インストラクター、地球村認定講師、デール・カーネギートレーナーコース終了。共著に「個を活かすダイバーシティ戦略」(ファーストプレス)がある。青山学院大学文学部フランス文学科、英国 アシュリッシビジネススクール(MBA)卒。

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