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異文化理解のフレームワーク「ホフステードの6次元モデル」(1)パワーの使い方:権力格差

2019.09.12 宮森 千嘉子

異文化理解のフレームワーク
「ホフステードの6次元モデル」

Vol.1
パワーの使い方 : 権力格差

文化の次元とは、他の文化と比較したときに相対的にとらえることができるもの。
ホフステードは、ある国で生まれ育った人々の物事の選好が、国ごとにどう異なるかを6つの次元(切り口)に体系化し、目で見ることのできない文化的価値観の違いを説明します。

国を超えてビジネスをドライブし、意思決定していくには、相手に合わせたパワーの使い方が求められます。それを教えてくれるのが権力格差という次元です。

富、権力、身体的能力、知的能力。この世のありとあらゆるパワーの分配は、不平等です。人間であれば誰でも、それを知っています。でもその現実にどう向きあうのかは、国によって異なります。ホフステードはそれを「権力格差;それぞれの国の制度や組織において、権力の弱い成員が、権力が不平等に分布している状態を予測し、受け入れている程度」と定義しました。

権力格差は、パワーの弱い人の価値に基づいています。子供(家庭)、生徒(学校)、部下(組織)など、パワーを持たない人たちが、親、教師、上司など、権力を持っている人たちとの間に横たわる不平等、距離を、どう受け止めるのか。それは、国によって異なります。

日本は、このスコアが世界の中でも真ん中です。アジア地域では最も権力格差の小さい国であり、日本より権力格差が小さいのは、米国、英国などのアングロサクソン諸国、ドイツ、北欧諸国とイスラエルです。

世界のスコア 権力格差

権力格差の小さい国では、「影響力」が鍵

スコア0−45の国は、パワーの不平等はできる限り、ないほうが良い、と考えます。こうした国で有効なパワーは、「影響力」。
上下の関係は存在しますが、それは目的を果たすために必要な、便宜的なもの。上司や教師、親など、年齢や社会的ランクが上だからといって、人間的に優れていなければならないとは考えません。
こうした国では、人々をやる気にさせる「影響力」が成功の鍵になると考えられます。

権力格差の小さい国の特徴
  • 人々の間の不平等は最小限にすべきであり、人はみな平等な権利を持つべきです。
  • 親は子供を、子供は親を平等な存在として扱っています。
  • 教師は生徒を、生徒は教師を平等な存在として扱っています。
  • 教師は生徒が自発的にふるまうことを期待しています。
  • 学習の質は、教師と学生との間のコミュニケーションと、生徒の優秀さによって決まります。
  • 患者は医者を平等な存在として扱っており、積極的に情報を提供します。
権力格差の小さい国

イスラエル、北欧諸国、アングロサクソン諸国(英国、ニュージーランド、カナダ、米国)、ドイツなど。

権力格差の大きい国では、「社会的権威」を使いこなす

スコア55−100、権力格差の大きい国では、パワーの不平等は、当然のこととして受け入れられています。
上下関係があるのは「当たり前」、社会的ランクの高い人と、そうでない人は平等ではありません。上司、教師、政治家などのパワーホルダーは、人間としても優れているべきと受け止められます。最良な方法や正しい回答を知っていると期待されます。
こうした国では、自分に与えられた「社会的権威」を使いこなす力が、成功の鍵になります。

権力格差の大きい国の特徴
  • 人々の間に不平等があることは予測されているし、望まれています。
  • 親は子供に従順さを教えます。親や年長の親族に対して敬意を払うことは、一生に渡って続く基本的美徳です。
  • 生徒は教師に敬意を払います。
  • 教師は教室で全主導権をとることが期待されています。
  • 学習の質は、教師の優秀さによって決まります。
  • 患者は医者を目上の人として扱っており、診療は短く、医者が主導権を握っています。
権力格差の大きい国

東南アジア諸国、中国、インド、ロシア、東欧諸国、中南米諸国、中東諸国、アフリカ諸国、フランス、ポルトガル、ギリシアなど。

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宮森 千嘉子

ファウンダー

サントリー広報部勤務後、HP、GEの日本法人で社内外に対するコミュニケーションとパブリック・アフェアーズを統括し、組織文化の持つビジネスへのインパクトを熟知する。また50 カ国を超える国籍のメンバーとプロジェクトを推進する中で、多様性のあるチームの持つポテンシャルと難しさを痛感。「組織と文化」を生涯のテーマとし、企業、教育機関の支援に取り組んでいる。英国、スペインを経て、現在米国イリノイ州シカゴ市在住。異文化適応力診断(IRC) , CQ(Cultural Intelligence) , GCI (Global Competencies Inventory), 及びImmunity to Change (ITC) 認定ファシリテータ、MPF社認定グローバル教育教材<文化の世界地図>(TM)インストラクター、地球村認定講師、デール・カーネギートレーナーコース終了。共著に「個を活かすダイバーシティ戦略」(ファーストプレス)がある。青山学院大学文学部フランス文学科、英国 アシュリッシビジネススクール(MBA)卒。

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